【書評】トヨタ流「5S」最強のルール

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私は工場勤めなのですが、製造現場では5Sという言葉を知らない方はいないでしょう。

整理、整頓、清掃、清潔、躾の頭文字をとって5Sと呼ばれる現場改善のフレームワークです。

製造業の会社に入社したらまず新人研修で習うであろう項目。

当たり前過ぎて、なぜそんなに強調するのか、一体どういう効果があるのかしっかりと理解できていないところがあったので「トヨタ流5S 最強のルール」という本を読んでみました。

ストーリー仕立てで5Sを理解する

この本はドS(5Sとかけてる?)のコンサルタントがある書店に派遣され、5Sというフレームワークを利用してこの書店の業績を改善していくというストーリー仕立てになっています。

このドSコンサルタントの指導により5Sを身につけた書店員たちがどんどんこの書店を改善していき売り上げをどんどん伸ばしていき、書店員たちも生き生きと働き始めるという感じです。

店長をはじめ、あまりやる気がなさそうだった書店員たちが仕事に楽しさを見出し、店員たち全員で一つの目標に向かって進んでいく姿は感動的で、特に最後のシーンでドSコンサルタントが遅れてお店に来た時の全員の一体感を感じさせる雰囲気はとても羨ましく思いました。

こういうチームを作りたいと常日頃から考えています。

5Sでこんなチームが作れるのか

自分の職場のことを思い返してみると5Sは周知されており、5Sは大事だとみんな知っている、整理整頓されていないところをみたときに注意するとその場ではすぐに直してくれます。

しかし、少し時間が経つとすぐに元に戻ってしまいます。

上長が定期的に現場を見て回り、5Sが徹底できていないところを指摘して回り、従業員がそれに従うという形になっていて、みんなめんどくさいなぁと思ってやっているという感じがあります。

5Sという同じフレームワークを使っているのにここまでの違いが出るのは何故なのでしょうか。

かたや全員が自ら動き、チーム全体で成果をだしていくのに、かたやイヤイヤ仕事をして閉塞感がある。

5Sの内容のみならず、こういった点も気になりました。

やってみて効果を実感する

そう思い、本を読み返してみると共通点がありました。

この本では5Sの各項目をそれぞれある店員に教えていくという流れで進みます。その店員たちの変化に共通点があったのです。

これまで通り仕事をしていた店員に対しドSコンサルタントが仕事ぶりの問題点を指摘し、その人に必要な5Sの内容を教えていく、初めは抵抗していた店員がコンサルタントのいうことをとりあえず理解して、それを実践してみる。

そしてそれがこれまでになかった成果を生み、店員の自信になり、5Sが定着、さらに他の店員にも教えていく、そういう流れでどんどん書店全体に5Sが広まり、改善されていく。

いずれの店員でも同じような変化を経ていっているようでした。

ここでまた自分の工場を思い返してみました。

私の工場では5Sという言葉だけが先行しており、おそらくこの5つのことがそれぞれどういう意味なのか把握している人は少ないように思います。

また、例えば、整理したらどういった効果があるのか理解している人も少ないような気がしますし、その効果を実感した事がある人もすくないでしょう。

上の人が現場が汚いと指摘する→忙しいし、そんなことしても自分にとって意味がない、なぜ私がやらなければならないのか→めんどくさい

このような気持ちなのでしょう。

中国人だからとか日本人だからとか特に関係なく、そもそもやる意味がわかっていなければやらないですよね。

ということでおそらく私の工場ではしっかりみんなに5Sの内容を伝えるということができていないのだと思います。

おそらくしっかりと伝えられる人がほとんどいない。

まずはしっかりと教育できる人を育て、全員がその意味を理解できるための活動をやっていく必要があるのでしょう。

そのためにはまず自分自身が5Sを理解し、実践していかなければいけないと思いました。

5Sの細かい内容について今回は紹介しませんが、自分で理解して自分で実践するための第一歩として本書は役に立つものだと思います。

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