【書評】立て直す力 RISING STRONG 感情を自覚し、整理し、人生を変える3ステップ
仕事中に「あれやった?」とか「これどうなった?」とか言われることが多いと思うんですけど、そういうときは決まって、わたしは「なんでまだやってないんだよ」と言われているような気がしてしまいます。
ほかにも「今現場でこういう問題が起こっています!」という報告を聞くと「あなたの管理が悪いからですよ!」と言われているように感じます。
その度に一人でイライラしてしまい、無愛想に対応してしまいます。
全ての場合でないにしても話しかけた人はそんな風に考えていないと思うんですよね。逆にわたしがイライラしたような態度をとると「なんか冷たいなぁ」と感じさせてしまって今後のコミュニケーションに影響を与えてしまっているような気がするんです。
なのでもっと協力的な感じで接してあげられたらなといつも思うんです。アンガーマネジメントなどにも書かれているようにイラっとしたらその感情を見つめるということを心掛けているのですが、それでも感情はイライラしてしまう。
このような無駄なイライラ、どうにか出来ないのでしょうか。
まずは感情を見つめる
本書「立て直す力 RISING STRONG」は頑張ってアクションを起こしたけど周りの反応が悪かったり、結果が悪かった時にどうやって自分を立て直し、次に繋げていくか、そのステップを紹介しています。
例えば、仕事で頼まれていた資料を作成して上司に報告するときにほとんど全部やり直せという結果になったとします。
そのときは非常に落ち込むか、怒るかすると思います。
こういうときにこの自分のネガティブな状態を乗り越えて「よし、次はやってやるぞ!」という気持ちに持っていくためにどうすればいいのかを3ステップに分けて解説しています。
この感情を立て直すステップとして以下の3つとなっています。
- 感情を見つめる
- 感情を整理整頓する
- 描いたストーリーを修正する
1つ目のステップはそのときの感情を見つめる。
アンガーマネジメントなどでもよく書かれていますが、「あ、今怒ってるな」ということの気づいたときはその怒りの感情を見つめることで少しその怒りが収まるといいます。
その怒りを鎮めようとするのではなく、「すげー怒ってんな、おれ」のようにただ見つめるわけです。
反射的に描いたストーリーがどういうものだったか考える
その次にその怒りや悲しみがなんで発生したのかを考えます。
相手の行動を受けて、自分がそのような感情を抱いたということはなんらかの前提、思い込みがあるはずです。その思い込みがなんなのかを考えるのです。(本書ではその思い込みをストーリーと言っています。)
結局、相手が書類の内容を指摘して、ほとんど作り直しになってしまった。この上司はわたしの事が嫌いだから頭ごなしに否定するんだ。というような感じ。
そしてそれぞれについて何が真実で何が自分を守るために自分が勝手に描いたことなのか整理整頓します。
指摘した内容→指摘に値することだったか
わたしの事が嫌い→本当にそうなのか、他の人に対してはどうなのか。
上司の視点→どのような視点から指摘にしているのか。口うるさいさらに上の上司に指摘されないように事前に準備しているのかもしれない。
反発的な感情を抱いてしまうのは自分が不安になったり、恥ずかしい思い、面子を潰されるというような危機を感じるから。そうならないように、自分を守るために勝手に言い訳を考えているからです。
自分を守るために勝手に作り出してしまったストーリーがないかを確認するわけです。
指摘された内容を見返したら確かに不備はある、
自分だけじゃなくて他の人にも同じような対応をしている、
もしくは自分だけしか言われないけど他の人が作った資料を見たら自分と全然出来が違った、
上司がさらに上の上司に報告しているときはさらに細かいことを聞かれていた、
などなど自分の描いたストーリーのなかで本当のことかどうかを確認します。
勝手に描いたストーリーを修正する
ストーリーを見直し終わったら、次はそのストーリーを修正します。
結局、自分の資料の出来が悪いだけなんだ。出来が悪いのを人のせいにしていたな。次は同僚の資料の作り方を見習って作ってみよう。
上の上司がもっと厳しい人なんだ。上司はその人が怖いだけでその準備をしているだけなんだな。次はそこまで意識して資料を作ろう。
上の上司が私の上司のことが嫌いでがみがみ言うんだな。だったらもっと協力して助けてあげよう。
真実と自分勝手なストーリーを切り離し、真実は真実で受け止め、明るい未来に導くようなストーリーを考え直すのです。
このストーリーを整理整頓し、修正するまでのステップは紙に感じた全てを殴り書きする方法がとても有効だと書かれています。
以前にも紹介したゼロ秒思考のメモ書きのような方法がいいのだと思います。
ストーリーを点検し、修正するという考え方
上司、同僚に何かを言われてイライラしてしまうことが嫌だったのでアンガーマネジメントなど感情をコントロールする方法に関する本を読んできましたが、基本的には感情を見つめるということに重きが置かれていたと思います。
実践はしていましたがその感情を見つめても、その場のコミュニケーションで怒りをコントロールしてさわやかに優しく会話することはできませんでした。
見つめていたところで別に怒りが収まるわけではなく、その場ではモヤモヤした感じは晴れません。
そして怒りを認識してしまうことで「またイライラしてしまった」「なんであんなことでいらいらしてしまうんだろう」という風にこれまでなかったようなモヤモヤが発生していました。
本書に書かれているストーリーを修正するという部分は特効薬のようにすぐに効果が現れるものではないと思います。しかし、イライラしてしまった理由探しができると思いますし、その理由を見つけることで同じ状況になっても怒りを感じなくなるのではないかと思います。
このストーリーを修正するという作業はやってみると難しくて自分の納得いくような修正がなかなか出来ません。
本書は翻訳された本なので海外本特有の比喩や言い回しが満載で特に後半は結局何が言いたいのか、何をすればいいのかわかりにくく感じましたが、そこにはどのように自分の納得できるストーリーを見つけるかということがかかれています。
基本的に私はあまり本を見返しませんが、この本は今後も見返すことになりそうな本だと思いました。
合わせてどうぞ
わたしはiPadで読書することが多いのですが、いろいろな電子書籍アプリがありますよね。
その中で、どのアプリがいいのかレビューしてみました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません