【書評】いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書
仕事をいかに早くこなすか。
そういった本はこれまでたくさん読んできましたが、この本を読んで改めてどのようにタスクを組み立てるのがいいのか考えさせられました。
どのように段取りするのか
「段取りの教科書」の内容を私なりに要約するとこういう感じです。
- 段取りを考えるというのは目的地を決めて、そこまでの道のりを描いて、その道を歩くこと
- どのように目的地を決めて、どのように道のりを描いて、どのように歩くのかを決めるのが段取り
- 目的地を決めるためにはゴールをリアルに想像するのが良い。言われたこととこなすのではなく目的を理解し、そのゴールを達成したところを細部まで想像する。
- そうすると言われたことだけでは足りないこと、他にやるべきことが見えて目的達成までの最短の道のりが見えてくる。やり直しも少なくできる。
- すべての仕事はルーティンだと考える。ルーティンの枠にはめる。
- そうすると目的地までの道のりも描きやすいし、歩き方もわかりやすい。
- あとはそのルーティンを高速でこなす。
だらだらToDoを書いていた
これまで私も毎日のToDoリストを書いて仕事をしていましたが、あまりゴールを意識していなかったなぁと思います。
言われた資料を作って提出するという仕事を繰り返していて、その資料がどう使われるかとかなぜ必要なのか、その目的を達成するためにどのような形でその資料を作るのがいいのか。そういうことを全く意識していないなぁと思いました。
提出資料が多すぎて資料提出に追われていたから自分の感覚で資料の作り方や提出する形を無意識的にToDoリストに書いていたという感じです。
そういう意味でダラダラToDoを書いていたと思うのですが、これについては“自分の感覚で”という部分が肝でこれまでに上司に言われた注意点、上司の好み、会話の節々から想像される上司の考えているストーリーなどを踏まえて、目的地(資料作成)までの道のりを考えていたんですよね。
これまでの経験があればあるほど目的地に行くまでのToDoを効率よく作っていくことができるのだと思いますが、意識的にどういう目的地が良いのか考えることで道のりを描くスキルも上がっていくのだろうと感じました。
大事なのは“空白”を作ること
そして1番大事だと思ったのが、段取りをして仕事を早くこなすことの目的はなんなのか。
本書の中ではそれは“空白”を作ることだと書かれています。
マルチタスクは仕事の効率を下げると色々なビジネス書でも言われていますが、色々なことを頭の中で考えていると目の前のことに集中できないですし、常にストレスがかかっている状態になっていると思います。
段取りよく仕事をして空白を作るというのはそういうストレスフルな状態を回避するために言えるのだと思います。
私はこれといったアイデアは生まれてこないタイプだなぁと思っていましたが、考えてみればじっくりとアイデアを考える時間を作っていなかったと思いますし、そういう空白の時間を意識的に作っていなかったなぁと思いました。
新しいアイデアを考えたり、未来のことを考えるのは憂鬱で、目の前の仕事をこなす方が優先順位が高くなりがちですが、意識的にそのような時間を作ろうとする、というのが未来の段取りを良くしていくことにも繋がるのだと思いました。
段取りよく仕事をして空白を作って何をしたいのか、これがなかったら段取りよく仕事をこなそうともしないでしょうしね。
(人間は暇な時間が嫌いなので暇な時間に何をするのか決まってなかったら無駄に仕事を引き延ばしたり、余計な仕事をしようとしたりするものだと思います。)
新しいアイデアを考えてそれを試してみる。そういう活動が仕事上の問題を解決することに繋がるのだと思います。
もう少し、ゴールをリアルに想像すること、空白を作って新しいアイデアを生み出すこと、そういうことが現状足りないなぁと痛感しましたし、これから意識しようと新たに決意できる本でした。
合わせてどうぞ
わたしはiPadで読書することが多いのですが、いろいろな電子書籍アプリがありますよね。
その中で、どのアプリがいいのかレビューしてみました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません