【書評】ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

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私は家計簿をつけて日々の出費を記録していますが、この話を同僚にすると「まめだね」とか「えらいね」と言われます。

そういう話になると「なんでつけてるの?」と逆に聞かれるのですが、自分は何のために家計簿をつけているのかうまく説明できないなぁと思ったんですね。

そこでなぜ自分が家計簿をつけるのか改めて確認してみようと思いました。最近、「ジョブ理論」という本を読んだのですが、その理論がとても面白かったのでその理論に沿って考えてみました。

ジョブ理論とは

「ジョブ理論」とは「イノベーションのジレンマ」など「イノベーション」についての世界的権威、クレイトン・クリステンセン教授が提唱した理論です。

日本では2017年8月に出版され、ヒットしているようで、商品を買うか買わないかは「顧客の属性」や「商人の特徴」ではなく、「顧客が片付けたい用事」=「ジョブ」が決定要因であるとしています。

筆者が「ミルクシェイクをもっと売るためにどうすれば良いか」という問題に対して詳細な調査をしたそうなのですが、顧客にどうすればもっと欲しくなるのか聞いてみても良い解決策が出てこなかったそうです。

そこで「どういうジョブ(用事)を解決させるためにミルクシェイクを買ったのか」を調査することにし、改めて顧客を観察したところ、午前9時前に1人でやってきた客に売れるミルクシェイクの量がとても多いことに気づいたとのこと。そのお客さんはお店でミルクシェイクを飲まず、ミルクシェイクのみを買って車で去って行くそうです。

さらにヒアリングなどをしていくとこのようなお客さんは「長い通勤時間の退屈をなくし、お昼までの空腹をかわしたい」という用事をこなすためにミルクシェイクを雇ったことがわかったそうです。

コーヒーだとすぐに飲めてしまいますが、ミルクシェイクならドロドロなので飲むのに時間がかかりますし、ドーナツなどではボロボロこぼれるし、片手で食べにくいですが、ミルクシェイクは車の中で片手で簡単に飲めてカップホルダーにもすっぽり入ります。

私が家計簿をつける理由

その人が片付けたいジョブはなんなのかがわかれば、なぜそのプロダクトを選んだのかがわかる。

そういう視点から自分が家計簿というツールはどういうジョブを片付けるために選んだのかを考えてみました。

現在使用している家計簿は1年以上使用しているのですが、この家計簿の仕様は以下のようになっています。

  1. Numbers(MAC版エクセル)で記録
  2. 日本円だけではなくほかの通過も入力できるようにしている
  3. 毎日の使用可能金額がわかるようにしている
  4. 4DXの先行指標という考え方を取り入れ日々の行動に影響を与えられるようにしている
  5. 家族で共有して出費を記録できるようにしている

一時期、Zaimやマネーフォワードなどのアプリを使用しようとしたこともありましたが、複数の通貨を入力できなかったり、家族で共有できなかったり、私の要求を満たしてくれるアプリがなかったので自分で表計算ソフトを使って記録するようになりました。

先行指標という考え方を取り入れたかったのは自分の行動、習慣を変えたかったからです。

これまで家計簿をつけたり、ウェアラブルガジェットを使って睡眠データを記録などしてきましたが、記録するだけで一切、日々の行動を変えられませんでした。

ただ、そういう経験から、ただデータを貯めるだけでは意味がない、自分の行動を自分の考える良い行動に改めていくためにデータを集めないとダメだと考えたので先行指標という考え方を取り入れました。

エクセルではなくNumbersを使用したのはNumbersのフォームという機能を使いたかったからです。ただ、共有して編集できるようにするとこのフォームが使えなかったのでこれはちょっと予定外ですw

個別でみていくとそれぞれ理由があるのですが、じゃあなんでそういう目的を達成できる機能が必要だったのか。

そもそもこの家計簿をなぜ作り始めたのか、実はこの記事を書くまで忘れていたのですが、きっかけは「見える化すればお金は増える! 書き込むだけでみるみる貯まるマネバナノートの作り方」という本だったように思います。

要はお金を貯めるためには家族で理想を話し合うことが大切だと書かれていた本なのですが、その本に共感した私はそれを具現化するために、この家計簿を使えないかと考えました。

この家計簿を家族で見て、お金をどうやって貯めていこうという話をするためにこの家計簿を作ったのだと思います。

つまり、この家計簿で私が片付けたかったジョブは「家族で幸せな暮らしを作っていく」ということになると思います。

競合は家計簿のみならず

こういうジョブをこなすために私は今の家計簿を雇っているわけですが、そう考えると単純にほかの家計簿アプリなどが競合というわけではないですね。

状況によっては「家族で相談できるフィナンシャルプランナー」も競合になり得るでしょうし、ただ単に「家族と一緒に過ごす時間」とかも競合になるかもしれません。

片付けたい用事=ジョブという視点で物事を見るとこれまで見えていなかった競合というか市場がわかるような気がしますね。

「家族で幸せな暮らしを作っていく」という用事を片付けたい人をうまく見つけ、そこにうまくアプローチしていけば私の家計簿が一つのプロダクトとして成功できるかもしれませんw

まぁ、私が家計簿をつける理由はこんな感じですが、こんなくさいことを友達とかにうまく説明できる気もしないですねw

合わせてどうぞ

わたしはiPadで読書することが多いのですが、いろいろな電子書籍アプリがありますよね。

その中で、どのアプリがいいのかレビューしてみました。

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