【書評】チームの生産性をあげる。 業務改善士が教える68の具体策
ちょうど前回の記事で仕事効率化に関する記事を書きましたが、これはあくまでも個人でのタスク処理の効率化でした。
仕事では個人のタスク処理の効率ももちろん大事ですが、チームで協力しながらタスクをこなしていくことが大切です。
私も仕事上リーダーとしてプロジェクトを引っ張る立場にいますが、チームのメンバーが自発的に必要な行動を行い、どう進めるべきかみんなで議論しながら仕事を進めるのが理想です。
ただ、実際はやってほしいことをやっていなかったり、指示しないと動いてくれなかったりします。
チームとして生産性を上げるためには各自が指示を待つのではなく、自発的に行動をできるかどうかが大事なのだと思うのですが、そのために何か良い手はないでしょうか。
チームのメンバーが何をすればいいのかわかっているかどうか
チームのメンバーが自発的に動き、仕事が前に進むためにはいくつか要素があると思います。
- やるべき事が明確かどうか
- 自分の判断で動くことを承認してあげているかどうか
- どのように行えばいいかわかっているかどうか
- 自分でコントロールできる時間があるかどうか
仕事が進まない理由はいろいろとあると思いますが、他の人からの横入りが大きな原因だと私は考えています。
そもそも横入りがなければいいのですが、組織の中でも働く以上そんなことは不可能です。
また、横入りがあったときにその対応に手間取ったり、そもそもどう対応すればいいのかわからなかったら時間がかかってしまいます。
今回ご紹介する「チームの生産性をあげる。―――業務改善士が教える68の具体策」ではチームの生産性を上げる方法が書かれているのですが、この中でも特に”どのように行えばいいのかわかっているか”、”自分でコントロールできる時間があるかどうか”という問題に対して利用できそうな方法が書かれていました。
インシデントを見える化し、共有する
この横入りはIT業界では”インシデント”と呼ぶそうです。この横入りというのはクレーム対応や資料作成の依頼、作った資料の修正など本来の仕事の流れを阻害する仕事のことです。
急な頼みごとをされると忘れないために、達成感を感じるため急な仕事の対応をしてしまうのが人間のサガだそうで、このインシデントのせいで本来やるべきことがやられていない、進捗が遅れるという事態が発生します。
そのため、このインシデントを管理することがチームの生産性を上げることに繋がると本書では書かれています。
本書の中ではインシデントを管理する方法は以下のように紹介されています。
- 横入りを可視化する
- 横入りをチームで共有する
そのインシデントは誰かが知っているかもしれない
インシデントを管理する第一歩はインシデントの可視化で、そのためにチームでインシデントを記録し、「インシデント管理簿」を作成します。
インシデント番号(連番)、件名、種別、日時、対応者、依頼者、期限、優先度、進捗、対応履歴、対応所要時間
このインシデント管理簿を作ったらチーム内で共有します。
そして、そのインシデントが既知か未知をチームで話し合います。
誰かにとって未知でも他の誰かは既知かもしれません。そうなればその時の対応方法をチームで共有しておけば次に誰かが初めてそのインシデントに遭遇しても「そういえばあの人はああやって対応していたな」と思い出すことができ、そのインシデントの対応がスムーズになります。
例えば、「急ぎでこういう資料作ってほしいんだけど」と言われても「〇〇さんが似たような資料を作って対応していたはず」と思い出せれば効率よくこのインシデントを処理できます。
また、チームでインシデントを共有しているときに方針を決めることもできると思います。
「クレーム対応のインシデントが来たら、まずは〇〇さんに情報を集めよう」
「資料作成依頼のインシデント対応のために作成した資料はこのフォルダに保存しておこう」
「簡単なインシデントはすぐに対応せずに1日の決まった時間にまとめて処理するようにしよう。」
といった具合に。
この方針を決めておくことでチームのメンバーも「どうしよう」と悩むことが少なくなり、全体を通して効率が上がっていくと思います。
対応を各自で考えさせる
仕事は基本的に誰かと一緒にやるものです。相手がいるからできるものです。
そうなるとインシデントが発生するのは必然です。
自分の与えられた役割の中で対応すべき、本来やるべき仕事にインシデントが積み重なったら、ともすれば仕事が”やらされている”ものになってしまいます。
私は自分がやりたいと思ったことを会社で実現していくことができれば、仕事が楽しい、会社に行って作業を進めたいと思えるのではないかと、最近思っています(最近、そう思える瞬間がちらほら出てくるようになりましたw)。
本書の中でも書かれていたインシデントの共有化というのはチームの中で話し合い、チームの中で対応を考えます。
チームの中だけなのでメンバーそれぞれの提案も通りやすいと思いますし、自分の提案通りにメンバーが動いてくれる、さらに効果があればそれほど嬉しいことはないと思います。
一度そういう経験をした人はおそらく自分からいろいろな工夫を考え、提案してくれるのではないでしょうか。
自分で提案して”自分のやりたいこと”が出来上がって来たら、その人にとって仕事は楽しいものになるのではないかと思います
仕事が楽しいとチーム全員で思えたら、おそらく学園祭の時のようなワクワクした、とてもクリエイティブな時間を過ごせると思います。
これだけでこのようなチームを作るできるとは思いませんが、ひとつのきっかけとしてインシデントを共有化して、対応をチームで考えるという方法が使えるのではないかと思いました。
iBooksはこちら→チームの生産性をあげる。―――業務改善士が教える68の具体策
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