【書評】日経テクノロジー展望2020 世界を変える100の技術

書評AI,IoT,シンギュラリティ,ビッグデータ,プル,人生,書評

AI、ビッグデータ、IoTなどITの世界で大きなブレイクスルーが起き、世界がどんどん変わっていくと言われています。

コンピューターにできなかったことができるようになっていき、コンピューターにしかできないことがどんどん洗練されていく。

そんな中、我々人間の仕事はどんどんなくなっていき、さらにはシンギュラリティが起きて人間がコンピューターに支配されるという話まで出て来ています。

「ライフシフト」という本のなかでもこれから生き方を変えていかなければならないということが書かれています。

そうやって時代が変わっていくなか、まだまだ身の回りでそれほど変化は感じませんが、この変化にどのように対応すればいいのでしょうか。

これからどういったことができるようになるのか

世界を変える100の技術」という本にはこれからどういう技術ができて、どういったことができるようになるのか紹介されています。

IoTがさらに進み、ありとあらゆる場所にセンサーが取り付き、ものすごい数のデータが蓄積され、このビッグデータをAIが解析し、どういう行動取るべきなのか(そろそろ部品を交換してくださいなど)が指示される。

AI、IoT、ビッグデータ、このキーワードのつながりがさらに強くなり、今後はさらに通信技術も発達し、より早い無線通信(5G)ができるようになることでさらに広い分野にこれら3つの技術が適応されていくことになるといいます。

IBMのワトソンに何万という論文を学習させ、ガンに効く新薬を発見したという話もありますが、データ同士のつながりをAIが判別し、共通点から新しい知識を作っていくということも可能になってくるといいます。(いわゆるディープラーニングですね)

3Dプリンターでもその材質はプラスチックが一般的ですが、今後は金属、果ては臓器まで3Dプリンターで作成できるようになるようです。

3Dプリンターの適応範囲が広がることでオーダーメイドできる領域が広くなり、「誰がアパレルを殺すのか」という本でも書かれていたようにマスカスタマイザーション、それぞれの人に合わせたものづくり形態になっていくそうです。

臓器が3Dプリンターで作れる上にさらに遺伝子操作技術も向上し、その人に合わせたオーダーメイドの治療ができるようになっていくといいます。

自動車の自動運転、ブロックチェーン、ドローン、シェリング、AR、VR、電気自動車無線充電などなどキーワードを見るだけでもどんどん世界が変わっていきそうに思います。

我々はどうすればいいのか

このように考えると人間の生活はもっともっと便利になるでしょうし、たしかに人間の仕事もなくなっていきそうに感じます。

では我々はどうしていくのが良いのでしょうか。

私は本を読みながらこんなことを考えていました。

AIが発達してコンピューターが我々の仕事をしていく世界になったとしても変わらないものがあります。

それは人間の存在です。

AIに仕事が取られて大変だーという議論には人間の存在という大前提があります。人間の存在が脅かされるという不安があるんですかね。

人間が存在し続けると考えれば確実になくならないものも想像できます。

人間が生きる上で必要な衣食住に関することはもちろんですが、さらに人間が充足感を感じるための活動もなくならないのではないでしょうか。

充足感を感じるための活動というのはマズローの欲求段階に出てくる自己実現の欲求を満たす活動です。

農業も人間がいなくてもできるようになるじゃないかと言われればそうですが、人間が食べる料理を作る行為によって得られる喜びはロボットを使っていては得られません。(最近、自炊をしていますが、外食にはない充足感がありますね!)

ロボットが人間の仕事をやってくれるようになれば人間には時間ができます。

そうなると自分で何かを作り上げる行為や勉強して自分を高めていく行為をして、自己実現の欲求を満たすようになっていくのではないかと思います。

そのため、自分はなにを楽しいと思うのか、どうすれば嬉しいのかを把握し、それを追い求めることが今後、幸せな人生をあゆむ上で必要なのではないかと思います。

これからは“プル”の時代

「9プリンシパル」という本の中でこれからの時代は「プッシュよりプル」が必要だと書かれていました。

ものや情報が溢れる時代だから必要だと思うものを自分から取りに行く姿勢が大事だということだと理解したのですが、その考え方にも通じると思います。

こうすればもっと楽しいかな?という仮説を持つようにしてその仮説を確かめるために必要な情報を取りに行く。

高度経済成長の時から日本のサラリーマン像みたいなものが出来上がって来ていて、終身雇用が前提で家族を作って家を買って60歳過ぎたらゆっくりと過ごす、そういう人生をみんなが送るための仕組みができているように思うんですね。

そういう人生を歩むためのシステムを作り上げた日本は本当にすごいと思うんですが、システム化してしまった分、与えられる人生というか受け身で過ごしてしまう人が増えてしまったんじゃないかと思うんです。

しかし、コンピューターが人間の仕事を行えるようになってくるとに今まで以上に自分の生き方についてしっかりと考えないといけないと思いますし、考えるようになっていくんじゃないかとも思います。

いずれにしても、より楽しく幸せに生きるために必要なものを自分から探しに行く姿勢あるとこれからの時代も楽しんで生きていけるんじゃないかと本を読みながら思いました。

合わせてどうぞ

わたしはiPadで読書することが多いのですが、いろいろな電子書籍アプリがありますよね。

その中で、どのアプリがいいのかレビューしてみました。

ぜひブログをフォローしてください。