Shapr3Dで設計した指輪を3Dプリントした後の寸法変化について、材質はチタン

アクセサリーデザイン3D CAD,3D プリンター,Shapr3D,アクセサリー,チタン

CAD上で設計したものを実際に作製していく場合、何桁まで見るかにもよりますが、CAD上の数字通りに作製することはできません。

実際に寸法は設計したものとかわってしまいます。

形にしたときにどのくらいの寸法変化があるのかまで考えて設計する必要があるわけですが、その場合、今想定している加工方法ではどのくらいの寸法変化が起きるのかを知っていなければなりません。

私の場合はDMM.makeで3Dプリントしていますが、どのくらい寸法変化するものなのかわからなかったので、今回は実際にプリントしてみたものの寸法がどうなったのかを調べてみました。

今回プリントしたのはチタンの指輪

今回プリントしたものは一つのワイヤーをくるくる巻いて繋げたようなデザインのものです。

メビウスの輪のような感じをイメージして、ちゃんと全て一本に繋がっているデザインにしました。

Shapr3Dというアプリを使って3Dモデルを作製したのですが、自然な感じにうまくつなげていく所がなかなか苦労しました。

よく見てみるとちょっと歪なところがあるのですが、それでもイメージしていたよりもスタイリッシュな指輪にできました(自画自賛w)

寸法を測定できる3箇所で比較

プリントしたものと3Dモデルを比較するとこんな感じです。

3Dモデルを作製しているときはプリントしたらもう少し全体的に丸みが出て自然な感じになるのかなぁと甘く見ていましたが、実際にプリント品をみるとかなりの精度で再現されていますねw

3Dモデルでちょっと角張って見える部分があると思いますが、この角張った感じがプリント後のものでも再現されています。

さて、ここから本題です。見た目上は精度よく再現されているように見えますが、寸法的にはどうでしょうか。

今回作製したデザインは結構複雑な形状なので測定できる場所が限られます。そのため比較的測定しやすくかった本体の幅厚さ指輪の内径を測定し、3Dモデルと比較してみました。

本体幅

3Dプリント チタン指輪 本体幅
幅をノギスで測定

こちらの寸法は2.3mm→2.0mmとなりました。おそらく目視上はそれほど分からない差だと思いますが、10%ほどの変化となっています。

本体厚さ

3Dプリント チタン指輪 本体厚さ
ノギスで測定

こちらは1.75mm→1.6mmとなりました。

厚さは幅ほどの変化はありませんでした。そもそもの寸法が少ない方が変化は少ないということだと思いますが、こちらも10%ほどの変化があります。

指輪内径

もっとも重要な指輪内径ですが、21.926mm→21.3mmでした。

モデル上の寸法は正確に測定できなかったので目視でももっとも正しいと思われる寸法をとっています。また、ノギスの方も3Dモデルでの測定箇所と全く同じではない可能性があるのでそれほど正確な比較となっていないかもしれませんが、0.6mmの変化となりました。

指輪のサイズは“号”で表されますが、o.3mm変化すると指輪の1つ“号”が変わります。

そのため、目的のサイズがある場合、一つサイズをあげてモデルを設計した方が良さそうです。

チタンの再現性は高い

今回発注したDMM.makeではチタンはレーザーを利用した金属積層造形が行われているそうです。

チタン/マルエージング鋼/インコネル/アルミは金属粉末を溶融させベース プレートの上に垂直方向に積層する DMLS(直接金属レーザー焼結法)という 方式で造形されます。 金属は樹脂と異なり材料自体の重量がある為、造形物に適したモデルをデザイ ンするのに高い技術を必要とします。

https://img.make.dmm.com/images/materialPdf/9/dmm_material_guideline_titanium_200430_rev009.pdf

専門的な知識はありませんが、指輪でよく用いられるロストワックス法ではなく、直接モデルを造形するので寸法変化の機会が少なく、誤差も小さいかもしれません。

寸法は10%ほど変化しているようなのですが、全体的な形状としては3Dモデル通りだったので、私はチタンの3Dプリントの精度は高いなぁと感じました。

引用元のPDFにはチタンを造形する上での設計時の寸法上の注意点が書かれていますが、これらを守っている分には3Dモデル通りのものができてくると思って問題ないでしょう。

現在、チタンの他にも真鍮などでもプリント発注中なので、完成したら真鍮でも寸法の変化を確認してみたいと思います。

ちなみに私はiPad Proを使用して「Shapr3D」というアプリを使用して3Dモデルを作製しています。3Dプリントするまでの流れを大まかにこちらにまとめておりますので、もしよろしければこちらもご覧ください。

作製したアクセサリーはミンネ、クリーマー、stores.jpで販売しております。是非こちらもご覧ください。

ミンネ

クリーマ

ぜひブログをフォローしてください。